学習時の独り言を減らし、集中して取り組むことができる時間を伸ばす

 明るく穏やかな性格で、友達と積極的に関わり、楽しそうに過ごしています。コミュニケーションの面では、以前は自分の話したいことを一方的に話し続けたり、特定の友達のみと仲良くしたりすることがありましたが、最近は、友達と話を合わせることが上手になったり、一緒に話す友達が増えたりし、コミュニケーションをより楽しめるようになりました。引き続き友達とのコミュニケーションを楽しんでもらい、友達との関係をさらに深めてもらいます。

 運動エフェクトでは、積極的に取り組む姿が多く見られるようになり、がんばっています。反復横跳びの記録会では、すばやく正確に行う敏捷性が高まり、動きが洗練されてきました。本児も自信をもっており、安定して良い記録を出すことができています。ドッジボールでは、ボールをキャッチすることが上手になり、がんばっています。また、ボールを取ってから投げるまでに時間をかけず、相手が逃げる前に当てることができることもあります。今後も様々な運動経験を積み重ねてもらい、運動技能の向上を図っていきます。また、チームで一体となって協力的に取り組む心を育む等、社会性の向上を図っていきます。

 戸外活動では、友達と相談して遊ぶ場所を決め、楽しく過ごすことができています。年下の子とペアになった際には、「次はこっちへ行こうよ」「あっちに楽しいところがあるよ」と積極的に声を掛けてくれました。また、相手の行きたい所にも合わせてあげ、優しく接してくれました。以前は疲れてくると「もう休憩する」と言うこともありましたが、最近は遊びの終了時間までしっかりと身体を動かして遊べるようになってきました。今後もグループ活動を通して自分の意見を伝えたり、相手の意見を受け入れたりしながら、仲良く過ごせるよう支援していきます。

 学習の面では、学習の準備が早く、すぐに取りかかることができています。ワークでは、繰り返し取り組むことによって少しずつ学習内容が定着し、がんばっています。気になる点は、独り言を止められない点です。独り言を言いながら宿題をしたりワークに取り組んだりしているため、友達から「集中できないから静かにして」と言われることも増えています。また、注意をしても止められなかった場合に席を移動してもらうことがありますが、自分にとって都合の悪いことを言われることになるため暴言を吐いてイライラとしています。本児自身に良くないことをしているという自覚、又周りに迷惑をかけているという自覚がなく、どうして注意をされているのか分からないことが、注意をした人に対するイライラとして表れているように見えます。このような学習姿勢のままでいると、同じ量の学習に取り組んだとしても、身に付くはずの力が身に付かないため、今後の学習に良くない影響が及ぶと考えられます。また今後、中学校、高校と進学していくにあたり、簡単に答えが出る問題ばかりでなく、複数の知識を活用して考える問題も増えてきます。したがって、今のうちから、課題にぐっと集中できるようになっておくことが大切です。そこで、独り言を止める重要性を本児に伝えた後、「5分は独り言を言わないようにしよう」と予め約束し、実践してもらいます。5分後に「達成できたね」「良かったよ」とほめ、適応的な行動を強化していきます。そして、達成できる日が増えてきたら本児と話し合った上で少しずつ時間を伸ばしていき、習慣化していきます。

 本児は、コミュニケーション力が伸び、友達との関わりが大きく向上しています。今後も本児の良い面をさらに伸ばすとともに、学習に取り組む姿勢を改善し、学力の向上を図っていきます。

Juri F.