スタッフ

しょう先生

施設長

早稲田大学 人間科学部卒

 私の専門分野は行動分析学です。行動分析学とは、人間の行動を分析し、行動を変容する方法論を見出す学問です。行動分析学の源流は、ワトソン(J. B. Watson)の行動主義です。ワトソンは、意識など観察不可能な概念ではなく観察可能な行動に注目し、人の行動は環境によって変えられるS-R理論を提唱しました。その後、新行動主義のスキナー(B. F. Skinner)がオペラント条件づけ理論を体系化するなど、多くの研究者や実践家が現れ、今もなお発展を続けています。

 行動分析学は、実験行動分析、関係フレーム理論(RFT)、応用行動分析(ABA)、臨床行動分析、ACT(Acceptance and Commitment Therapy)の5つで構成されています。この文章を読んでいただいている方の中には、応用行動分析をご存じであったり、実際に実践していたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 応用行動分析の評価については、米国保健福祉省の下部組織である米国連邦公衆保健局の局長による1999年の精神保健レポート(U.S. Department of Health and Human Services,1999)で、自閉スペクトラム症児への支援の目的は、子どもの社会的及び言語的な発達を促進すること、子どもの機能や学習を妨げる行動を最小にすることであるとし、応用行動分析による介入が唯一エビデンスを基にした研究成果であり、有効であるとの結論を公示しています。また、米国精神保健研究所(National Institute of Mental Health,2004)も、応用行動分析が効果的で広く用いられる自閉スペクトラム症の治療法であるとし、子どもの興味に基づいてプランされ、見通しが持てるスケジュールを与え、単純なステップの連続からなり、高度に構造化された活動の中で、子どもの注意を積極的に促し、常に行動を強化するプログラムが効果的であると述べています。そして、教師やセラピストに加え、親も治療に参加し、行動変容及びスキル学習の指導方法を身につけ、家庭でも治療を続けることを薦めています(山本・澁谷,2009)。現在、応用行動分析は、自閉スペクトラム症だけでなく、ADHD(注意欠如・多動症)、知的発達症、限局性学習症、発達性協調運動症等、様々な特性の支援療法として成果を挙げています。

 私は、上述の応用行動分析だけでなく、学習した言葉や認知を直接的学習歴のない場面で生起させるために必要な概念を説明する関係フレーム理論、アクセプタンスや脱フュージョン等のマインドフルネスに関連したスキルで代替行動を獲得する臨床行動分析、心理的柔軟性を活用して有意義な生活を構築するACT等、行動分析学の知識を幅広く活用し療育をおこなっています。また、1つの療法に縛られるのではなく、脳科学、発達心理学、心理教育学等の知見を組み合わせ、より質の高い療育の提供ができるようにしています。

 そして、私は、行動分析学による早期発達支援を研究しています。早期発達支援とは、障がいのある児童の育成について、できるだけ早期に、適切な医療的リハビリテーション、指導訓練などの療育を行うことにより、障がいの軽減及び基本的な生活能力の向上を図り、自立と社会参加を促進することです(内閣府,2021)。例えば、自閉スペクトラム症児の場合、共同注意の弱さや興味の偏りにより経験が不足し、その結果、脳機能の発達の非定型性が増す負の循環が生じることが分かっています。社会性を支える脳機能は、他者との関りを通して発達が進みます。早期から適切に介入し、良い経験を積み重ねれば、負の循環に歯止めをかけられ、将来の困り感を軽減させることができます。障がいのある子にとって、早期発見・早期発達支援は大変重要なことなのです。よろしければ、私の執筆した論文「日本における早期発達支援の現状と課題―未就学の自閉スペクトラム症児の研究を考察する―」をご一読ください。このシステマティック・レビューをご確認いただければ、早期発達支援の変遷、日本の早期発達支援研究の現状と課題、応用行動分析における有効な手続き及び技法を概観していただけると思います。なお、この論文では、未就学児の研究をレビューしていますが、早期発達支援は未就学児に限られるものではありません。療育は何歳からでも始められますから、お気軽にご相談ください。

 療育は子どもの特性を治すことではなく、どのような工夫をすれば生活し易くなるのかを考え支援することです。しかし、その支援が上手くできるときばかりではありません。ときには、どう工夫したら良いのだろうと思い悩むこともあります。そのようなとき、私はいつもウィニコット先生(D. W. Winnicott)の言葉を思い起こし、次の介入方法を決定します。ウィニコット先生は、子どもの心は安いものではない。こうすれば治るというものは心を育てていく上でマイナスになる。また、私たちは本質的に健康的なものを治そうとするのではなく、大人社会の機能の一部として、課題に対応することが大切であると述べました。治そうとするのではなく対応する。それは、大人のニーズに合わせるのではなく子どものニーズに合わせることであり、どのように工夫すれば生活し易くなるのかを考え支援することと同じ意味ではないかなと思います。小さなお悩みから大きなお悩みまで、またどんな内容のお悩みでもお聞かせください。できる限りのことはさせていただきます。弊所の療育プログラムは、応用行動分析の研究知見より、どの活動にもできるだけ遊びの要素を組み入れています。子どもは遊びを通して成長します。楽しく遊んでいたら、知らぬ間に成長していた。これが私の考える理想の療育です。是非一度、お気軽にご相談ください。


じゅり先生

児童発達支援管理責任者

愛知教育大学 教育学部卒

小学校教諭一種免許状、中学校・高等学校教諭一種免許状 外国語(英語)、幼稚園教諭二種免許状取得

 私は、「みんなちがって、みんないい」という言葉が好きです。これは、金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」という詩の最後の言葉です。この詩の伝えたいことは、小鳥も鈴も私もみんなそれぞれ得意なことが違っているように、みんなそれぞれに素晴らしい個性があるということです。人は誰でも何か得意なことがあります。その得意なことを認識し伸ばすことによって、さらに輝いたり成長したりすることができます。私たちはみんな、それぞれ違う何かを持っていて、それぞれがみんないいもの、大切なものなのです。

 この大切なものを守るために、私たちは、子どもたちのことを正しく理解し、支援していくことが必要です。そのためには、以下の3点が重要です。1点目は、何よりも知識が必要です。日々子どもたちと共に過ごす中で、様々な問題に直面し、どのように対応したらよいのだろうと悩むことがあります。このような時に役に立つのが理論です。理論は、ある問題に対し、筋道をつけて1つの結論を出したものです。理論を知っているということは、その問題を過去に扱った人がいたかどうか、その問題はどのように捉えられているか又は結論付けられているか、その問題は解決が可能なのかどうかを知ることになり、当然、実践に役立ちます。知識をもっていることの具体的なメリットは、理解と対応がしやすくなること、子どもたちの行動が努力不足やわがままではないと分かり寛容な態度で接することができること、苦手なことを補うための工夫を考えることができることです。例えば、レフ・ヴィゴツキーの最近接発達領域を知っていれば、現状の能力に目を向けるのではなく、現状からどのくらい伸ばすことができるかに目を向けることができます。

 2点目は、その子の強みを理解し、支援に生かすことが重要です。できないことばかりに目を向けていると、自尊心の低下を招き、二次障がいにつながることがあります。しかし、同じ行動でも見方を変えることで、その子の強みとして捉えることができ、支援に生かすことができます。例えば、「こだわりが強く融通が利かない」は、「ルールをしっかりと守ることができる」と言い換えると、強みとして捉えることができます。この場合、様々なパターンに対して予めルールを決めておくことで、適応的な行動を引き出すことができるようになります。

 3点目は、子どもたちが自分に誇りをもつことができるようにすることが重要です。障がいの有無に関わらず、発達の凸凹は誰にでもあります。他の子と比べるとゆっくりなペースかもしれませんが、その子のペースで必ず発達しています。ガードナーは、知能を8つの側面から測定する多重知能理論(H. Gardner,1983)を提唱しました。ガードナーは、8つの知能バランスは人によって異なり、誰もが少なくとも1つの得意分野と、1つの不得意分野があるとしました。8つの側面は具体的に、①話をする、文字や文章を書くことが好き、②パターンを見つける、計算することが好き、③歌を歌う、楽器を演奏することが好き、④身体を動かす、工作をすることが好き、⑤絵を描く、物語をつくることが好き、⑥友達と遊んだりお話をしたりすることが好き、⑦自分の興味のあることに集中することが好き、⑧生き物と触れ合う、違いや共通点を見つけ分類することが好きであることを指します。そして、これらの側面は生まれた時から変わらない才能のようなものではなく、一定の潜在能力として存在し、それを発現させられる環境を整えることで、能力を発揮することができるとしました。何かができないということは、別の何かができるということと前向きに捉え、得意なことや長所を伸ばすことが大切です。そうすることによって、子どもたちは、自分に誇りをもち、生き生きと過ごすことができるようになります。それぞれの良いものを引き出すことで、それぞれに足りないものを補い合う、ギブアンドテイクの精神をもち、「みんなちがって、みんないい」とそれぞれが認め合える優しさに包まれた教室を目指し、努力していきます。


ちはる先生

児童指導員

 前職は、国府宮神社で奉仕(勤務)をしていました。人のため、地域のために尽くすことが好きです。また、20年間、子ども達に書道を教えています。

 ご縁があって、スポーツ&スタディ稲沢でお仕事を始めてから5年目を迎えようとしています。4年前、子ども達の明るく元気な挨拶でスタートしたことを今もはっきりと覚えています。そして、そのときから変わらぬ元気な挨拶は、日々、私にパワーを与えてくれています。私も子ども達に力を与えられるように、日々、寄り添い楽しく過ごしています。

 私は、子どもの長所を発見し、それを伸ばすことができたとき、できることが増えて自信をもってもらえたときに、至上の喜びを感じます。


りえ先生

児童指導員 

愛知淑徳大学 文学部卒

 子どもと接する上で感じる楽しさや喜びは、何よりも、子どもの日々の変化、成長の瞬間に出会えることです。何度も何度も練習し、失敗し、出来るようになった時。「よく頑張ったね。すごいよ。」自分が出来たかのように嬉しく感じます。また、前まで出来ていなかったのにいつの間に出来るようになったの、と驚かされることも。何かに成功した時の「僕(私)すごいでしょ。」とキラキラした目を見るたびに、嬉しくなります。

 そして、元気をもらえることです。子ども達の笑顔や笑い声をはじめ、自分では全く思いつかないような発想や行動から新たな発見があったりもします。子ども達の安全に細心の注意を払いながらも、子ども達と同じ視点、目線になって物事を見たり、考えたりしてみると、ドキドキ、ワクワクがたくさんあり、子ども達から教えられることが色々あります。

 また、子ども達の未来、将来に少しでも良い影響を与えることが出来たらいいなという思いが仕事へのやりがいに繋がり、子どもとの対応に対し、その日の自分を振り返り、考え、より適切な声掛け、対応が出来るように、子ども達に負けないように自分自身も成長できればと思わされます。

 いつも子ども達に「ありがとう。」と言ったり「ありがとう。」と言われたり、子ども達の「ごめんね。」「いいよ。」など素直さ優しさを感じられる、こんなにも笑顔や笑い声、感謝の言葉に溢れている中で毎日を過ごせることに楽しさ、喜びを感じています。


せつこ先生

指導員

 子どもたちと接する楽しさや喜びについて、1つ目は、子どもたちの成長を間近で感じ、共に喜び合えることです。子どもたちは、がんばり屋さんです。「縄跳びができるようになりたい」「鉄棒ができるようになりたい」と目標を持ち、自分から何度も何度も練習しています。試行錯誤してできるようになった時、キラキラと目を輝かせて「できるようになったよ」「見てて」と元気よく言いに来てくれます。「もうできるようになったの?」「すごいね」と声を掛けると、誇らしげに何度もやって見せてくれます。

 2つ目は、子どもたちの純粋な心に触れられることです。子どもたちは、素直で優しく、きれいな心をもっています。転んでしまった子に駆け寄り「大丈夫?」と言いながら服についた土を払ってくれる子、「ぼくが持ってあげる」と進んでお手伝いをしてくれる子、「これ妹にあげるんだ」とたくさんのドングリを集める子、「ごめんね」「いいよ」の一言で友達を許して元通り仲良くできる子、一人で遊んでいる子に「○○君も一緒にやろう」と誘ってくれる子など、あらゆる場面で子どもたちの素直で優しく、きれいな心を目の当たりにします。

 3つ目は、子どもたちから元気をもらえることです。子どもたちはエネルギーに満ち溢れています。教室にはいつも子どもたちの元気な声が響き渡っています。生き生きとした子どもたちから元気をもらい、子どもたちのために努力する力に変えています。

 4つ目は、「わかった」「できた」に寄り添えることです。学習では、同じ内容でもつまずく部分は一人ひとり違います。その子のつまずきを分析して教え方を工夫し、「わかったよ」「もう一人でできるよ」と言ってもらえると、この上ない喜びを感じます。

 5つ目は、長期にわたり子どもたちと関わることができることです。友達に教えてもらう側だった子が「こうやってやるんだよ」と皆のお手本になってくれています。「宿題やりたくない」と寝転がっていた子が自分から机に向かっています。「できない」とすぐに諦めていた子が、何度もチャレンジできるようになっています。長い時間のまとまりで子どもたちの成長を振り返ってみると、新たな成長が見えてきます。

 明日への希望をもって日々成長していく子どもたちと関わる楽しさや喜びを感じられるこの仕事が大好きです。これからも子どもたちのためにより良い支援ができるよう、努力していきます。


あいこ先生

児童発達支援管理責任者

成長したいという息吹を感じさせてくれる子どもたち。そして、成長を見せてくれる子どもたち。

逆上がりの練習をしていた子が「できたよ、できた、逆上がりができた、来て、来て」と誇らしげな顔をして走ってきます。「すごいね」と一緒に喜びます。

口数の少ない子が「学校の先生に、計算が速くなったねと褒められた」とボソッと教えてくれました。「すごいね、良かったね」と一緒に喜びます。

勉強がやりたくないと言います。やりたくないのは、分からないからです。理解できる方法を考え、一つずつ分かるようにしていきます。入所から1年経ったある日「算数、100点取ったよ」とテストを握りしめて入室しました。「すごい、すごい、良かったね」と一緒に喜びます。

入所してから5年、話しかけてくれることはありませんでした。私からの声掛けには、いつもニコニコしてくれています。しかし、先日は違いました。「○○に行ってきた」と話しかけてくれたのです。「そうなの、よかったね」思わず大きな声が出てしまいます。

中々、言葉がうまく話せません。お話をする機会を設け、日々、練習しています。その成果は少しずつですが表れてきています。本人も自信がついてきているようです。今日も帰りの会で初めて知った言葉を発表します。

6年間の利用で目を見張る成長をしてくれました。年下の子には優しく、ルールをしっかりと守る立派な中学生になろうとしています。あと何年か先、社会に出たときに、ここで遊んだことを一緒に振り返る日が来ると考えるだけで幸せです。

送迎の車を待つ間に絵本の読み聞かせをします。物語の中のクマさんに自分を重ねて、じっと本を見つめる子、ぐっと手のひらを握りしめる子。絵本の世界から、優しさを、強さを、創造性を育んでほしいです。

様々な活動の中、私たち指導員または子ども同士の関りの中で成長していく姿が見られる。それが私の一番の喜びです。