1.EBPP(Evidence-based Practice in Psychology;科学的根拠に基づいた療育活動)

子どもや保護者の方の意見を丹念に聞きながら、①研究結果から得られた最も優れたエビデンス(科学的根拠)と、②指導スキル(経験・知識)を統合し、療育を実施します。

2.嫌悪事態を提示しない指導

弊所の応用行動分析によるアプローチは、フリー・オペラント法(佐久間,1978)及びHIROCo法(大野他,1985)を主軸としています。

フリー・オペラント法及びHIROCo法の特徴
  • 自由反応場面の中で指導をおこないます。
    予め用意したトレーニングを実施するのではなく、遊びの中で指導をおこないます。この指導法は、身につけた行動を別の場面でも生起させる効果があります。例えば、弊所で身につけた行動が、学校や家庭でも生起するようになります。また、自発性が向上したり、身につけたスキルが拡大・発展したりもします。
  • 嫌悪事態を提示しません。
    子どもの問題行動は、嫌悪事態を回避する行動であることも少なくありません。私たちは、明朗性・誠実性・正当性を以て子どもと接し、子どもとの信頼関係を構築した上で指導をおこないます。
  • 正の強化子による結果操作をおこないます。
    正の強化子を提示することにより、人の刺激が好子として機能するようにします。正の強化子とは、子どもが好ましいと感じる刺激のことで、その刺激は一人ひとり異なります。
  • 模倣を生じさせます。
    模倣という社会的学習を成立させるには、人の刺激が正の強化子機能を持つ必要があります。言語形成や学習行動において、模倣は重要な役割を果たします。
  • 動因操作を用います。
    子どもからの関りを促進させるために様々な工夫を凝らします。例えば、こだわりの強さを活用し要求行動を形成します。

3.親子通所体制あり(保護者に寄り添い、共に歩みます)

子どもの成長を促進させるためには、家庭でも療育をおこなうことをお奨めします。親子通所では、親が子どもの強化子となるために必要な行動を学ぶペアレント・トレーニングを提供します。ペアレント・トレーニングを体験していただくと、子どもへの対応が変化するだけでなく、子どもへの評価も変化します。

子どもへの評価がポジティブなものに変化すると、子どもの自己肯定感が高まり、適応的な行動が増えていきます。
親子通所を希望される方は、お気軽にご相談ください。

4.効果の見える化

支援の効果を確認するために、必要に応じて様々な心理検査を実施します。例えば、自閉スペクトラム症、ADHDの程度の確認、学習障がいの有無の確認、及びコミュニケ―ション、日常生活スキル、社会性、運動スキル等、適応行動の発達水準を把握します。

5.インクルーシブ教育の推進(共生社会の実現)

インクルーシブ教育とは、障がいのある子と障がいのない子が共に学ぶ仕組みのことです(文部科学省,2012)。障がいのある子が、学校・学童保育・幼稚園・塾などの教育場面、保育園などの福祉場面、及びその他関りを持つすべての場所で適応できるように、公認心理師の立場から助言を行います。