生活面において、自分でやってみる機会を確保し、できることを少しずつ増やす

 明るく人懐っこい性格で、自分から人と関わり、楽しそうに過ごしています。自由遊びの時間は、本を見ることが好きです。たくさんの本の中からお気に入りの本を探し、本に描かれている絵を指差して「これ何?」「○○だね」と指導員に話しています。また、読み聞かせをすると、好きなフレーズを真似して言ったり、好きな場面のページを繰り返し開き、読んでほしいことを伝えたりしてくれます。

 運動への参加はその時の気分に左右され、毎回皆と一緒に取り組むことは難しい状態です。参加した時は、補助することにより、皆と一緒に整列したり、座って順番を待ったりすることができます。また、真似っこ歩きの時に、皆の後に続いて歩いたり、反復横跳びの時に、指導員と向かい合って一緒に動いたりしています。今後も、運動の時間に本児の気分が乗るように誘い、少しずつ参加できるようにしていきます。また、取り組む内容を本児のできそうなことに調整し、楽しく活動できるよう配慮します。

 学習の時間は、運筆、名前を書く練習等をしています。毎回取り組むことができており、がんばっています。機嫌の良い日は、絵カード遊びをした時に「これ何?」と尋ねると、「ひこうき」「へび」等と答えてくれます。また、音読教材のフレーズを覚えていて、「月が?」と尋ねると「出る」と言う等、続きの言葉を言ってくれます。

 気になる点は、身の回りのことを自分ですることが難しい点です。現時点、靴の着脱やおやつを食べることは、自分ですることができていますが、その他の動作は補助または全介助が必要です。今後も自分でできることが少しずつ増えていくよう支援を継続していきます。まず、日常生活動作の課題分析を実施し、声掛けのみでできること、補助でできること、全介助が必要なことに分類します。何ができて何が難しいのかをしっかりと把握し、もう少しでできそうなことを探し、そこに重点をおいて練習していきます。その際、プロンプト、モデリング、身体ガイダンスを用いて支援を行います。また、チャレンジしてもらう際には、十分な時間をとり、自分でやってみる機会を確保することに配慮します。そして、チャレンジした時やできた時にほめ、自分でしようという意識を高め、今後につなげていきます。

 本児は落ち着いて過ごすことができており、ニコニコと機嫌よく過ごしている日が増えました。今後も楽しく安心できる環境を提供するとともに、生活面において自分でできることが少しずつ増えていくよう、支援していきます。

Juri F.