適応的な行動への注目により注目欲求を満たし、不適切な行動を減らす

 明るく人懐っこい性格で、友達と積極的に関わりながら楽しそうに過ごしています。自由遊びの時間は、読書をすることが好きで、図鑑や本をたくさん読んでいます。活字部分もしっかりと読んでおり、本から得た知識をよく披露してくれます。記憶力が良く、恐竜の体長や特徴等について具体的な数字も入れながら詳しく説明することができます。また、友達と一緒に遊ぶことも増えています。挟みドッジボールをしている子がいると「ぼくも入れて」と元気よく言って仲間入りし、楽しそうに遊んでいます。他には、保育園の友達がトナカイのソリ引きを好んでいることを知ると、「ぼくが引っ張ってあげるよ」と汗だくになりながら何周も引っ張ってくれました。友達を喜ばせたい一心でがんばる本児の姿に感心しました。今後も友達との関係が上手くいくよう、見守り及び仲介をしていきます。

 戸外活動では「今日はどこに行くの?」と友達と色々な所へ行くことをとても楽しみにしてくれています。戸外活動では、指導員の見守りの下、グループ活動を実施しています。友達とグループ活動をするようになってから、自由遊びの時間にも友達との遊びに仲間入りすることが増えたり、他の活動中にもダラダラせず生き生きとした表情をしていることが多くなったりし、良い効果が現れています。また、自然体験が豊富な子ほど、自己肯定感、道徳感、正義感が高いこと、自然を体験することで日常生活では得られない素直な気持ちが育まれることからも、自然体験は心の成長に大きな役割をもっています。今後も戸外活動を通して、友達との関わりを促進し、社会性を伸ばしていきます。また、自然体験を通して自己肯定感を高めたり、ルールやマナーを守ったり周りの人に対して思いやりをもって接したりする等の道徳性を育んだりしていきます。

 運動エフェクトでは、積極性が増し、どの種目も真面目に取り組んでいます。短縄の二重跳びでは、軽快に連続で跳ぶことができ上手です。鉄棒では、逆上がりができるようになり、とても喜んでいました。走り高跳びでは、勢いがよく、助走からジャンプへスムーズに移ることができています。集団遊びでは、ルールをしっかりと守り、楽しんでいます。ドッジボールでは、「ぼくに投げさせて」と主張することが多くなり、がんばっています。また、キャッチをすることが上手になったり、以前に比べボールを強く投げられるようになったりし、「今日は2人当てたよ」「○○君(強い子)の球がキャッチできたよ」等と、ドッジボール終了後に嬉しそうに報告してくれます。今後も楽しく身体を動かしてもらい、できることを増やしていきます。

 気になる点は、キャーと大声を出したり、人前でズボンとパンツを下げたりする等の不適切な行動がある点です。友達との関わりの中で、テンションが上がり過ぎたり、「○○して」と友達からの不適切な声掛けがあったりすると、不適切行動が出やすくなっています。これらの行動の機能は、注目だと考えています。本児にとって友達からの注目が好子となり、不適切行動が維持されていると考えられます。したがって、環境の統制により不適切な行動への反応を抑制し、不適切な行動をしても注目が得られないようにします。同時に、Show & Tellや時事の発表に取り組んでもらったり、あいさつ係を依頼したり、運動の手本を依頼したりする等、適切に注目を得る機会を増やしたり、良い行動をしたこと及び不適切な行動が生じていないことをほめたりし、注目欲求を満たしていきます。

 本児は、以前に比べ元気よく活動するようになり、楽しそうに過ごしています。今後も本児の良い面をさらに伸ばすとともに、注目欲求を満たし気になる点の改善を図っていきます。

Juri F.