苦手なものをできる限り避けられるよう配慮し、落ち着いて過ごすことができる
穏やかな性格で様々な活動に参加し、楽しく過ごすことができています。戸外活動では、様々な遊具で遊ぶことができるようになりました。以前は慎重な動きが多く見られていましたが、最近はネットの上をスイスイと自ら進んで行く等、足元の不安定な遊具にも慣れてきました。また、ロープを握って斜めの壁を上る遊具が一人でできるようになりました。以前は怖がっていたため、片足をかけて止めていましたが、指導員が補助しながら上ることができたことが自信になったようで、何度も上っていました。信頼している大人とともに新しい遊具に挑戦し、遊びが広がりました。今後も様々な経験を積み重ねてもらい、できることを増やしていきます。
運動エフェクトでは、様々な運動に参加し、がんばっています。ボールを使った種目が得意で、歩きながらドリブルをして1周したり、小さいボールを足でドリブルして1周したり、幅の狭い穴に向けてボールを投げて入れたり、サッカーのパスゲームでまっすぐボールを蹴り返したりすることができます。3種サーキットでは、前の子を見て動きを覚え、少し声掛けをしてサポートするだけで、一人で行うことができます。集団遊びでは、その都度動きを教えてもらい、がんばっています。ドッジボールでは、繰り返し経験する中で、ボールを遠くまで投げられることも出てきています。今後も様々な運動を楽しんでもらえるよう、サポートしていきます。
学習の面では、切り替えが早く、落ち着いて取り組むことができています。公文では、数字のなぞり書きを練習しています。鉛筆の動かし方が上手になっており、曲線を滑らかになぞることができるようになってきています。特に、数字の8が上手になりました。音読では、指差しをしながら一文字ずつしっかりと読み、がんばっています。また、プリントの裏面に、絵を見てその名前を答える問題がありますが、ランダムに示されていても正しく答えることができるようになってきました。今後も毎回少しずつ取り組んでもらい、できることを増やしていきます。
気になる点は、興奮してしまうことが増えている点です。現時点では、本児が興奮状態になった際には、クールダウンスペースに移動してもらっています。以前はしばらくクールダウンすることで落ち着き、活動に戻ることができていましたが、最近は、興奮状態のまま自分で活動場所に戻っていってしまい、興奮状態が長引いていることもあります。本児は成長とともに少しずつ自我が強くなっており、いつもと同じようにやりたいけれどできないことに葛藤が生じ、イライラしているように見えます。まずは、興奮せずに過ごすことを第一目標とし、支援及び配慮を継続していきます。具体的には、本児自身が一番困っているという視点で、本児の苦手なことや気に障ることをアセスメントし、できる限り避けられるようにします。例えば、学習中に興奮してしまうことがありますが、ここまでの様子から、途中で止めると、さらに興奮して長引くことが分かってきました。そこで現在は、プリント学習・公文・音読という基本的な流れは変更せず、公文や音読の取り組み量を減らしたり、簡単な内容のものに変更したり、状況に応じて書き直しを止めたりする等、最後まで取り組んだという感覚が維持できるようにしています。それでも興奮してしまう場合もありますが、学習時に興奮してしまう頻度は少しずつ減ってきています。学習以外の場面でも、急に動かなくなる、小さな声を出す、表情が険しくなる等、興奮状態になる前兆が現れたとしても、すぐ声掛けをせず見守ることにより、そのまま抑えられることも出てきました。このような経験を積み重ねてもらい、自分で感情をコントロールする力を少しずつ身に付けてもらいます。但し、興奮して周りの子に手を出してしまう場合は制止し、落ち着く環境を整えてクールダウンを促しています。今後も現在行っている支援を継続し、負担の軽減及び前兆への適切な対処により興奮状態になることを予防したり、興奮してしまった場合に適切に対処したりする等、落ち着いて過ごすことができるよう支援していきます。
本児は、繰り返し経験することにより一人でできることが少しずつ増えています。自我が強くなったことにより興奮状態になってしまうことが増えていますが、それは成長の証と捉えるとともに、毎日を落ち着いて過ごすことができるよう、ここまでの配慮や支援を継続していきます。
Juri F.