経験を通して、それぞれの場に合った行動を知り、適切に振る舞うことができる

 この半年間で落ち着きが増し、多くの点で改善が見られました。特に、あまり気の進まないことにも取り組めるようになったことに成長を感じています。

 自由遊びの時間には、友達との関わりが増え、楽しそうに過ごしています。ブロックでロボットを作って対戦したり、玉入れをしたり、占いごっこをしたり、一緒に本を読んだりする等、自分から友達を求めることが多くなりました。戸外活動では、探検ごっこをしたり、サバイバルごっこをしたりして遊んでいます。友達と協力して葉っぱの山を大きくしたり、友達のしている遊びに興味を示して一緒の遊びを始めたりし、仲良く過ごしています。面白い物を見つけると「〇〇君、こっちこっち」と呼ぶ等、友達への声掛けも多くなりました。また、以前はほとんど参加しなかった鬼ごっこに参加してくれるようになりました。

 運動エフェクトでは、どの種目も一生懸命取り組み、がんばっています。記録会では、過去最高記録を意識して取り組んでいます。新記録を出して皆から拍手をもらうとお辞儀し、とても嬉しそうにしています。集団遊びでは、ルール理解力があり、ルールに沿って楽しむことができています。ドッジボールでは、ボールをよけることが得意です。高鬼では、鬼との距離を確認しながら、鬼に捕まらないよう上手く移動することができます。大玉転がしやサイコロゲーム等のチーム対抗戦では、わざとゆっくりとしたペースにしてしまうことがなくなり、チームで協力することができるようになりました。また、座って待つこと、整列係の号令がかかった時にすぐに自分の場所に並ぶこと、好きなことだけでなく基礎運動にもしっかりと取り組むことができるようになり、この半年間で大きく成長しました。

 コミュニケーションの面では、相手に合わせた言葉遣いができるようになってきました。指導員に対し、「〇〇してもいいですか」「〇〇してくれませんか」「〇〇が難しいので助けてください」等、したいこと、してほしいこと、困ったことを丁寧な言葉で伝えられるようになりました。また、「まず」「次に」「最後に」等、順番を表す接続詞が上手に使えるようになり、相手に分かりやすく説明することができるようになりました。

 学習の面では、切り替えがスムーズにできるようになり、宿題をすぐに始められるようになりました。公文では、学年を超えた学習に入りましたが、コツコツと進め、がんばっています。毎回3枚ずつ順調に進め、1桁で割るわり算の筆算ができるようになりました。計算ミスがほとんどなく、落ち着いて取り組むことができています。また、「(今日はあまり時間がないから)2枚にしていいよ」と声を掛けられても、「ぼくは3枚やるんだ」とがんばり屋さんな面も見られるようになりました。レプトンでは、CDを聞くことを楽しみにしていて、前向きに取り組んでいます。それぞれのアルファベットの音に注目して読み方を確認し、一人で読める単語が増えました。また、ノートに単語を練習する際、4線を意識して書くことができるようになりました。

 気になる点は、以下の四点です。一点目は、友達に嫌なことをされた時に手を出してしまう点です。本児童は、優しく穏やかな性格で友達と仲良くすることができており、自分から手を出してしまうことはありません。しかし、子どもたちのやり取りの中で悪気があるわけではありませんが、「やめて」と言っても相手が止めてくれなかったり、友達が本児童の作った物に触れて壊してしまったりした時等に手が出てしまいます。本児童の中で、相手が良くないことをしてくるから自分もやり返してもよいという考えをもっているのかもしれません。この場合、一次的に良くないのは相手の方ですが、相手が自分に嫌なことをしてきたとしても、不適応な行動でやり返してもよいということにはならないことを覚えてもらいます。また、嫌なことや困ったことがあった際、指導員に相談する力もつけてもらいます。「やめて」と言っても相手がしつこく続ける場合は、自分だけで解決しようとせず、大人の力を借りて上手く対処する方法を身に付けてもらいます。

 二点目は、自分にとって都合の悪いことを言われると文句を言う点です。注意を受けた際、素直に指示に従うことはできるようになりましたが、後からブツブツ文句を言っているため、素直に応じた印象の良さを台無しにしてしまっています。その都度声を掛け、注意を受けた後に取るべき態度を知ってもらい、適切に振る舞うことができるようにしていきます。

 三点目は、戸外活動の移動時に一番前を歩きたがる点です。安全面に配慮し、「先頭と最後尾の指導員の間を歩く」というルールを設定していますが、本児童は先頭の指導員より前に出てしまいます。声掛けのみで不十分な場合は、一旦止まってから声を掛けると戻ってくれますが、少し経つとまた前に出てしまいます。今後も安全に移動することができるよう、繰り返し声を掛け、安全面のルールを徹底していきます。

 四点目は、話を聞いていない点です。運動エフェクトのルール・やり方の説明を聞いていないため、取り組む際にどうすればよいか分からず困っていることがあります。事前に声を掛けて話を聞く心構えを作ること、話を聞く時は話している人の方を向くことができるよう、繰り返し声を掛けていきます。また、遊びなど様々な場面での関わりを通し、相手の話を聞くと楽しい・面白い・良いことがあるという経験を積み重ねてもらい、話を聞くことに対する意識を高めていきます。

 今後、様々な経験を通して、それぞれの場に合った振る舞い方をルールとして伝え、より良い行動を選択することができるよう支援し、適応的な行動を増やしていきます。

Juri,F.