好きなことや興味のあることを活動につなげ、活動への参加を促す―動因操作を用いて子どものモチベーションを向上させる支援―

 明るく人懐っこい性格で、指導員や友達と関わりながら楽しそうに過ごしています。自由遊びの時間は、おままごとをしたり、恐竜の人形やミニカーで遊んだりすることが好きです。おままごとでは、ハンバーガーを気に入っており、毎回作って持ち歩いています。他には、指導員に追いかけっこやこちょこちょをしてもらうことが好きです。追いかけっこでは、後ろを振り返りながら逃げ、捕まった時にこちょこちょをしてもらうことが楽しみで、何度もしています。また、壁際に寝転がってもらってこちょこちょをしていたところ、本児が自ら壁際に寝転がり、こちょこちょをしてほしいとアピールするようになりました。本児のお気に入りの遊びになっており、毎回要求が出てきます。友達との関わりでは、追いかけっこをすることが好きで、ニコニコしながら逃げ、楽しそうに走り回っています。本児は友達から可愛がられ、本児も友達を慕っていて、良い関係を維持することができています。今後も自由時間の関わりを通して、「一緒に遊ぶと楽しいな」「もっと遊びたいな」という気持ちをさらに引き出していきます。

 戸外活動では、公園の遊具で遊ぶことが大好きです。「お出かけするよ」と声を掛けると、すぐに自分で帽子と水筒を準備することができます。公園では、滑り台やネット遊具等、様々な遊具で楽しそうに遊んでいます。普段は独り言が多いですが、公園では「早く行こうよ」「もっと遊びたい」と、相手に自分の思いを伝える言葉が多く出ています。また、公園では、グループ活動をしています。グループ毎に指導員が見守り、ソーシャル・スキル・トレーニングを実施しています。どこで遊びたいか自分の意見を友達に伝えたり、友達の意見を受け入れたり、友達が来るまで待ったりする等、友達を意識する機会が多くあります。本児は、初めの頃は自分の好きな所へ走って行ってしまい、「待ってて」という声掛けも耳に入らず、思うままに行動していましたが、繰り返し経験する中で、「○○に行きたい」と主張したり、先に遊具に上った時に上から覗いて友達のことをその場で待っていたり、友達の行きたい所に合わせてあげたりする等、友達を意識することができるようになりました。本児は戸外活動を気に入っており、とても楽しみにしてくれています。今後も様々な場所で友達と交流できる機会を提供し、友達と一緒に遊ぶことの楽しさを感じてもらいます。

 工作では、以前は興味を示さず、活動への参加を促しても参加することができませんでしたが、最近は色塗りには参加できるようになりました。完成すると指導員に見せに行き、どこか誇らしげな顔をしていました。下絵は指導員が描いていますが、工作に対する心のハードルが下がり「やってみよう」という気持ちになったことに大きな意味があります。今後も、本児が「このくらいならやってもいいかな」と思えるような一線を探して成功体験を積み重ねられるよう支援していきます。また、ハードルの低いことから少しずつ幅を広げ、参加できる部分を少しずつ増やしていきます。

 レクリエーションでは、トナカイのソリ引きが大好きです。トナカイのソリ引きは、本児に布の上に座ってもらい、その布を友達が引っ張りながら走る遊びです。本児に「トナカイやるよ」と声を掛けると別の遊びをしていてもすぐに来てくれ、気に入ってくれています。他にも、ドッジボールをしている際に、他の子が楽しそうに遊んでいると、ボールを投げたいと近寄って来ることもあります。今後も本児の好きなことや興味のあることを活動につなげ、本人が参加したくなるよう工夫していきます。

 本児は、少しずつ活動に参加できるようになり、成長しています。今後も楽しい環境を提供し、人と関わる楽しさを感じてもらえるよう支援していきます。そして、本児の興味のあることや好きなことを活動につなげ、少しずつ参加することができるよう支援していきます。

Juri F.

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