友達との関わりを増やし、友達との関係の取り方を少しずつ身に付けるーピアジェの認知発達理論における自己中心性の理解と脱中心化の促進を図る支援ー

 明るく人懐っこい性格で、積極的に人と関わり、楽しそうに過ごしています。自由遊びの時間は、パズルやトランプ、オセロをして遊ぶことが好きです。本児から指導員に声を掛けてくれることが多く、自分のしたいことをきちんと伝えることができます。また、友達が「入れて」と言いに来ると、いつも「いいよ」と言って仲間に入れてあげ、優しくしてくれます。今後も友達と仲良く過ごすことができるよう支援していきます。

 コミュニケーションの面では、学校のことや自分の好きなこと、家族で出掛けたこと等、様々なことを話してくれます。誰かが話している時はその話が終わるまで待つ等、会話のルールも守ることができるようになりました。また、内容が相手に伝わるよう、分かりやすく話すことができ、上手です。今後も、様々な会話を楽しんでもらい、コミュニケーション力をさらに伸ばしていきます。

 運動の面では、どの種目にも積極的に取り組み、がんばっています。縄跳びが得意で、前跳びや後ろ跳びだけでなく、交差跳びやあや跳びにも挑戦し、上手にできるようになりました。初めは上手くいきませんでしたが、諦めずに練習し続け、リズムよく跳ぶことができるようになりました。集団遊びでは、積極的に取り組み、楽しんでいます。ルール理解力があり、しっかりとルールを守ることができています。ドッジボールでは、以前に比べボールを遠くまで投げられるようになり、外野まで届くことも出てきました。自信がついてきたようで、「外野をやりたい」と積極的に手を挙げてくれています。今後も様々な運動に取り組んでもらい、できることを少しずつ増やしていきます。

 学習の面では、切り替えが早く、がんばっています。九九の練習にも取り組み、あっという間にすべての段をスラスラと言うことができるようになりました。公文では、順調に教材を進め、がんばっています。現在はかけ算の筆算の練習をしています。学校ではまだ習っていないことですが、解き方をすぐに理解し、スラスラと解くことができています。計算ミスもほとんどなく、100点をたくさん取っています。今後も丁寧に学習支援を行い、計算力をさらに伸ばしていきます。

 気になる点は、特定の友達に対して嫌がらせをしたり、自分勝手に振る舞ったりする点です。具体的には、特定の友達をわざと押したり、悪口を言ったりします。また、ジャンケンで決めても負けると納得できず、自分の思いを押し通したりすることがあります。ピアジェの認知発達理論によると、小学校2年生頃までの特徴の一つとして、自己中心性があります。自己中心性とは、自分から見た視点でしか物事を考えられず、他者の気持ちを思いやることが難しいことです。これは、わがままではなく、発達過程の一つであり、すべての子どもが通る道です。したがって、現時点では、言葉で説明されても理解が難しいため、「○○は止めようね」というような注意にとどめています。今後も声掛けを継続し、適切に判断することができるようにしていきます。この発達段階の課題は、脱中心化を促進することです。そのためには、人との関わりが大切だとされています。人との関わりの中で様々な経験をすることによって、相手の気持ちに気付いたり、自分と異なる感じ方を知ったりし、相手の気持ちの理解を深めていくことができるようにしていきます。

 本児は様々な活動に積極的に取り組み、ぐんぐん力を伸ばしています。今後も良い面をさらに伸ばすとともに、人との関わりを増やすことによって脱中心化を促進し、友達との関係が上手くいくよう支援していきます。

Juri F.

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