確立操作により、適応行動を身に付ける

 穏やかな性格で、友達と仲良く過ごすことができています。話すことが好きで、学校行事のことやユーチューブのこと等について話してくれます。「○○って面白いよね」など、相手の話に共感を示し、盛り上がっています。自由遊びの時間は、恐竜の人形やブロックで遊ぶことが好きです。友達とのトラブルがほとんどなくなり、穏やかに過ごすことができています。運動エフェクトでは、全種目に参加してくれるようになり、がんばっています。集団遊びでは、ルールに沿って楽しむことができています。苦手なことにも取り組むことができるようになり、マイナス発言も減っています。ドッジボールでは、繰り返し取り組んでいるため、ボールを投げたり、よけたりすることが少しずつ上手になっています。学習の時間は、切り替えが早くなり、早く終えられるようになりました。分からない所は自分から質問し、がんばって取り組んでいます。

 気になる点は、同じ注意を何度も受けている点です。活動中におしゃべりが止められなかったり、寝転がっていたりした際に声を掛けていますが、なかなか応じず、5、6回目の注意でしぶしぶ行動を正します。本児は「お父さんの言うことは聞かないといけないけど、先生は怖くないから何をやってもいい」というような間違った考え方をしており、「先生の指示は聞くべきだ」という土台ができていません。このような考え方では、相手からの印象が悪くなるだけでなく、本児にとっても良くありません。したがって、確立操作により適応行動を身に付けてもらいます。確立操作とは、ある特定の好子や嫌子の強弱に作用するもので、行動の獲得や維持の効果に影響を及ぼします。例えば、ランニング後で喉がカラカラの場合、水を飲むととてもおいしく感じます。これは確立操作の遮断化です。また、十分に喉が潤っている時に水を飲んでもあまりおいしく感じません。これは確立操作の飽和化です。確立操作は、環境に働きかけることによって行動に間接的に影響を及ぼします。そこで、本児にもより良い環境を提供することで、考え方を変えていきます。具体的には、日頃から家族や周りの大人が「先生の指示はしっかりと聞こうね」と本児に声を掛けておくことで、指示を聞く土台を作っていきます。

 本児は友達との関係が良好で、仲良く過ごすことができています。しかし、切り替えが難しく話し過ぎてしまったり、反抗的な態度をとったりするため、その場に合った行動をとることが難しいことが多々あります。今後、「こう振る舞うべきだ」というモデルを周囲の大人が伝え、意識的に行うことができるよう支援していきます。

Juri F.

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