毎日少しずつの練習を積み重ね、できることを増やす

 素直で穏やかな性格で、落ち着いて過ごすことができています。自由遊びの時間はボールやパズルで遊ぶことが好きです。ボール遊びでは、ドリブルしたり、指導員と一緒にボールをパスし合ったりして遊んでいます。小さく弾みづらいボールでもドリブルをすることができ、上手です。パズルでは、集中力が続くようになり、30ピース程のパズルを一人で最後まで完成させられるようになりました。合っていないピースを無理にはめようとすることもなくなり、絵を見て考えながら進めていくことができるようになりました。片付けでは、全体への声掛けがあると自分から片付け始めてくれることが多くなり、協力することができています。

 運動エフェクトでは、どの種目にも参加し、楽しく取り組むことができています。ボールを使った種目が好きで、ボールを投げたり、蹴ったり、ドリブルしたりすることが上手です。個人種目では本児に合わせて取り組み内容を変え、楽しく取り組めるようにしています。具体的には、跳び箱に上って下りたり、マットで横向きに転がったり、鉄棒でぶら下がりキックをしたりしています。以前は鉄棒に対する恐怖心があり、鉄棒に近付くこと自体も避けていましたが、最近は恐怖心がなくなり、毎回取り組んでくれるようになっています。集団遊びでは、ルールを少し変えたり、友達や指導員がサポートしたりしています。色々坊やでは、初めは一緒に動きますが、途中からは「〇色だよ」と声を掛け、自分でタッチするのを見守っています。友達からも「ここにタッチして」とサポートしてもらいながら、一緒に楽しむことができています。島鬼ごっこでは、逃げるタイミングは声掛けが必要ですが、島にくっついて座ることは自分でできるようになりました。ドッジボールでは、逃げられるコートの範囲が分かっており、どちらの方向に逃げるのか声を掛けると自分で動くことができています。ピラミッド倒しでは、紙コップのピラミッドをねらってカラーボールを投げ、当てて倒すことができました。自分から次々にボールを投げ、楽しんでいました。今後も様々な運動に参加してもらい、楽しく身体を動かしてもらいます。

 生活面では、自分でできることは自分で行うことができています。また、「○○してね」と声を掛けると、すぐ行動に移してくれます。あいさつでは、相手の顔を見て言うことを意識してもらっています。現在は事前に「こっちだよ」と声を掛けていますが、毎回行うことにより習慣化し、自分から相手の方を見て言うことができるようにしていきます。一重結びは、毎回少しずつ練習し、できるようになりました。練習では、モール、リボン、風呂敷というように段々と難度を上げていきましたが、どれもスムーズに移行することができました。現在は、風呂敷で二重結びの練習をしています。結ぶ部分が短くなりましたが、すぐにできるようになりました。今後は、次の段階にステップアップし、蝶々結びの練習をしていきます。一重結びの時と同様、蝶々結びの行程を課題分析した後、順向連鎖で一つずつ動作を身に付けてもらいます。その際、身体ガイダンス、モデリング、視覚提示、言語教示を行い、方法を分かりやすく伝えていきます。そして、徐々に補助刺激を減らし、一人でできるようにしていきます。

 学習の時間は、算数・ひらがなプリント、公文、音読、名前を書く練習に取り組んでいます。集中力が伸び、すべての課題が終わるまで落ち着いて取り組むことができるようになりました。公文では、正確に数を数えることができ、がんばっています。数字を読む練習では、「よく見て」と予め声を掛けることにより、数字がランダムに並んでいても正しく読むことができています。音読では、単語や短い文を読む練習をしています。単語は、自分で一字ずつ指差しながら正確に読むことができています。短い文は、「いちごを たくさん たべました」を「いちごを たべました」のように読み飛ばしてしまったり、「おべんとうを つくります」を「おべんとうを つくりました」のように文末を変えてしまったりすることがありますが、多少の間違いは指摘せず、楽しく取り組むことを重視しています。同じパターンの部分や物の名前をスラスラと読むことがあり、少しずつ上手になっています。名前を書く練習では、毎回少しずつ取り組み、がんばっています。現在は、名字のなぞり書き及び写し書きに取り組んでいます。なぞることが上手になってきて、始点や線の長さを意識できるようになってきています。写し書きの際にも、「長く」「短く」と声を掛けて線の長さを意識してもらい、少しずつ上手になっています。練習の際には、文字のきれいさではなく、他の人が見ても何が書いてあるか分かるかどうかという判読性の観点で書き直すかどうかを判断し、負担が大きくならないよう配慮しています。今後も自分の名前を書くことができるようになることを目標に、毎回少しずつ練習に取り組んでもらいます。

 本児は、落ち着いて生活することができており、学習にも集中して取り組むことができています。今後も活動を楽しんでもらう中で、少しずつできることを増やしていきます。

Juri F.