言葉と言葉を関係づける活動を通して、言葉を増やすー関係フレーム理論に基づく支援ー

 明るく優しい性格で、友達と仲良く過ごすことができています。また、どの活動にも積極的に取り組んでくれています。自由遊びの時間には、友達のしている遊びに興味をもち、同じ遊びを始めることがよくあります。キャッチボールをしたり、「あっち向いてほい」をしたり、柔らかい棒を釣り竿に見立てて遊んだり、綱引きをしたり、縄跳びをしたり、3つのフープを腕でグルグル回したりしています。縄跳びやフープを回すこと等が上手にできたとき、「上手になったね」「すごいね」「きれいだね」と声を掛けると、嬉しそうにVサインをして応えてくれます。まだ「一緒に遊ぼう」と言うことはありませんが、近くに来てジャンケンの動作をしたり、近くにボールを投げたりする等、一緒に遊んでほしいことを動きで伝えてくれます。運動の面では、短縄の前跳びがリズムよくできるようになったり、ドリブルが61回できるようになったり、キャッチボールやボール蹴りが上手になったりし、がんばっています。ボールを使ったパス交換では、ワンバウンドでパスするというルールを理解し、守ることができるようになりました。集団遊びの中では、ジャンケンゲームや代わり鬼、ハンカチ落とし、椅子取りゲームはルールを理解することができていて、個別に声掛けをしなくても楽しめるようになりました。他の集団遊びでは、指導員からの声掛けに応じて動くことができ、楽しそうに取り組んでいます。学習の時間は、ひらがなの練習をがんばっています。自ら机に向かい、集中して取り組むことができています。また、ひらがな用とお絵描き用のノートの区別が自分でできるようになりました。Show & Tellの発表では、発表題材について2個から3個の言葉を言うことができています。絵本やバッグ等、絵がたくさん描いてある題材の時は、5つの言葉を出すことができました。発表後には、友達からの質問に答える機会がありますが、質問を理解し適切に答えることができたこともあります。また、発表に慣れてきて、言葉が聞き取りやすくなってきました。

 今後の課題は、言葉と言葉を関係づけ、アウトプットできる言葉を増やすことです。これまでの本人の様子から、生活面において指示理解に困っていることはなく、聞いたことは理解できています。また、物の名前はよく知っていて、絵カードに描かれている物が何かを答えたり、「雨」や「バス」等、その場で目にしたものを言葉にしたりすることはできます。しかし、サイコロゲームで「果物を3つ答えてください」等と実際にその場で目にしていないものを答えることは少し苦手です。また、抽象概念が弱く、言葉同士の関係性があまり分からないようです。今後は関係フレーム理論に基づき、言葉と言葉を関係づけるサポートをしていきます。まず、絵カードを用いた比較課題に取り組んでもらいます。比較課題の内容は、大きさや強さ、順番、位置、速さ、時間順序等があります。例えば、「電車は車より速い」「飛行機は電車より速い」という関係を弁別訓練すると、派生的刺激関係が生じ、「車は電車より遅い」という相互的内包関係及び「飛行機は車より速い」という複合的相互的内包関係が成立します。複数の例を用いて弁別訓練を行うことによって、言葉同士の関係が分かるようになり、直接的学習歴のない言葉でもその関係性が分かるようになります。また、「レストランAは、老舗Bよりも新しくて綺麗」という見た目の印象に留まらず、「老舗Bは代々受け継がれていて、レストランAよりも趣がある」という社会的価値に基づいた恣意的関係の理解ができるようになります。これは、刺激機能の変換と言われるものです。このように言葉と言葉を関係づけられるようになると、物をまとまりとして捉える抽象概念が理解できるようになります。今後、日常場面においても関係を示す声掛けを意図的に取り入れ、様々な言葉を関係づけることによって、言葉の関係性の理解を深めてもらい、アウトプットできる言葉を増やせるよう支援していきます。

Juri, F.