自分の行動の自覚を促し、その場に相応しい行動がとれるようになる

 明るい性格で、様々な活動に積極的に取り組んでくれています。自由遊びの時間は、仲の良い友達といつも楽しそうにおしゃべりをしています。とても気が合うようで、いつまでも一緒に話し続け、話が尽きることはありません。また、最近は、他の歴史の好きな子と送迎車が一緒になると、武将の話をして盛り上がっています。興味のあることに対する知識を豊富にもっており、互いに知識を披露し合いながら楽しそうに話しています。今後も、友達との良い関係を維持することができるよう、見守り及び助言をしていきます。

 クッキングでは、様々な過程に興味を示し、積極的に取り組んでくれています。材料を量る際には、レシピの分量をもとにして必要な分量を計算で求める質問に積極的に答えてくれます。また、生地を混ぜたり焼いたりする工程では「○○をやりたい」と積極的に手を挙げてくれ、いつも丁寧に取り組んでくれています。本児はクッキングの活動が好きで前向きに取り組んでくれています。今後も、楽しみの一つとしてクッキングの機会を提供し、活動を楽しんでもらいます。

 運動エフェクトでは、得意ではないことにも前向きに取り組むようになり、がんばっています。鉄棒では、逆上がりができるようになり、喜んでいました。短縄では、二重跳びの練習をしています。成功率はあまり高くありませんが、上手くいかなくてもチャレンジを続けられるようになりました。集団遊びでは、ルールに沿って積極的に参加し、がんばっています。最近は、負けても感情的になることはなく、ゲームとして楽しめるようになってきています。また、長縄の8の字跳びやボールを投げること等、繰り返し経験していることは運動技能が向上しており、本児も自信をもってきています。本児は、この半年間で情緒コントロール力が大きく伸び、思い通りにならないことがあったり、勝負で負けたりしても、物に当たることなく、自分の中で上手く処理できるようになってきました。今後も、様々な運動に取り組んでもらいできることをさらに増やすとともに、情緒面の成長を促していきます。

 気になる点は、特定の子に対し手が出てしまう点、話を聞く際の切り替えが難しい点、文句が多い点です。特定の子に対し手が出てしまう点については、相手が運動のゲームに勝って喜んでいる時に「バカにしてきた」と思ってしまい、イライラを抑えられず手が出てしまいます。本児には、同年代の子が同じような経験をした場合にどのように振る舞っているのか、客観的に目を向けてもらうことで、物事の捉え方を少しずつ変え、適応的に行動できるようにしていきます。切り替えについては、話を聞く場面でおしゃべりを止められず注意を受けることが多くあります。引き続き、事前に声を掛けて意識を向けてもらうこと、繰り返し注意を受け続ける場合は場所の移動等の刺激統制を行うことを継続していきます。そして、自分のしたいことを優先するのではなく、その時にすべき行動を選択できるようにしていきます。文句が多い点については、好きではないことに対し、活動に参加しないことはなくなりましたが、「どうして○○をやらないといけないんだ」「○○なんてつまらない」と活動内容について文句を言っています。相手によっては抑えることができているため、言ってはいけないことだという認識はあるようです。今後は、相手によって態度を変えることなく、不適切な発言を抑えられるよう声掛けを継続していきます。

 本児はこの半年間でさらに落ち着きが増し、穏やかに過ごせるようになっています。今後も本児の良い面をさらに伸ばすとともに、自分の行動の自覚を促し、気になる点の改善を図っていきます。

Juri F.