文から語のまとまりを見抜く力を伸ばし、短文をスムーズに読むことができるようになる
素直で穏やかな性格で、様々な活動に積極的に取り組み、楽しそうに過ごしています。自由遊びの時間は、縄跳びの練習をしたり、ボール遊びをしたり、ブロックで遊んだり、指導員に「こちょこちょして」とスキンシップを求めて遊んだりしています。縄跳びでは、他の子が縄跳びを始めると、「オレもやろうかな」と言って縄跳びを出してきて一緒に練習していることがよくあります。前跳びが得意で自信をもっており、「最高は40回だよ」「もう少しで新記録いきそうだった」と目標に対してどうだったか振り返りながら、楽しそうに練習しています。ボール遊びでは、指導員とキャッチボールすることが多いですが、他の子が「挟みドッジやろう」と誘うと、一緒に遊び始めます。ボールを投げることは運動経験が増えるにつれて向上しており、最近は「遠くまで投げれるようになってきた」と嬉しそうに言っていました。今後も指導員との遊びを友達との遊びにつなげる等、友達との関わりを増やせるよう支援していきます。そして、「友達と一緒に遊ぶと楽しいな」「もっと遊びたいな」という気持ちを引き出すとともに、仲間入りスキルを身に付けられるよう支援していきます。
戸外活動では、ハンドベースをして遊びました。おおよそのルールを理解することができており、ルールに沿って友達と楽しそうにプレーしていました。また、「次は○○君の番」と大きな声で教えてあげることも多く、普段よりも活発に活動していました。戸外活動では、思いっきり身体を動かしながら、のびのびと過ごすことができるため、普段教室で過ごす際にはあまり見られない本児の活発さが感じられました。今後も戸外活動を通して、元気よく過ごせるような機会、友達と積極的に関わる機会を提供し、本児の心身の成長を促していきます。
運動エフェクトでは、どの種目にも真面目に取り組み、がんばっています。得意な種目は長縄の8の字跳びで、前の子と間を空けずに次々に縄に入ることができています。また、ドッジボールで以前に比べて遠くまで投げられるようになったり、サッカーのパスゲームでボールを蹴り返す際の力強さが出てきたりする等、繰り返し取り組んでいることは、身体の動きの滑らかさも増しており、少しずつ運動技能が向上しています。本児もできることが増えて自信がついてきているようで、運動エフェクト中の積極性が増しているように感じます。今後も、運動機会を提供し、運動技能の向上を図るとともに、体力の向上を図っていきます。
学習の面では、学習への切り替えが早く、集中して取り組むことができています。最近は、MIM-PMテストの「3つのことば探し」で、スムーズに語のまとまりを捉えられるようになってきて、読みの能力が順調に向上しています。また、繰り返し練習してきたことにより、ひき算の筆算の正答率が上がり、「もうひき算の筆算が分かるようになった」と嬉しそうに言っていました。本児自身も音読や計算の力が向上している実感があるようで、「今日は難しい宿題がある」と嬉しそうに言っていることが増え、少し難しいことに挑戦することに前向きになってきたように感じます。このやる気は、ここまで学習を積み重ねてきたことによって培われた自己肯定感の表れであり、今後の成長をさらに後押しするものになってくれると思います。今後も、丁寧に学習支援を実施し、できることをさらに増やしていくことができるよう支援していきます。
気になる点は、音読の宿題が少し苦手な点です。以前に比べ、読み方が大きく改善していますが、まだたどたどしさが残っており、改善の余地があります。ここまで取り組んできた非語の読み練習や語のまとまりを捉える練習はどちらもスムーズにできるようになっており、次の段階へステップアップできる状態になりました。そこで、今後は、語のまとまりに意識を向けながら短文を読む練習に切り替え、音読練習を継続していきます。具体的には、易しい内容の音読の本を使用します。文の中から語のまとまりを見抜く力を伸ばし、短文をスラスラと読むことができるよう練習していきます。読む分量は本児の負担に配慮し、初めのうちは少なめに設定し、徐々に増やしていきます。そして、最終的には、ある程度まとまりのある文を負担感なく読めるようにしていきます。また、練習に取り組む中で、成功体験を積み重ねてもらい、読みに関する苦手意識を克服することができるよう接していきます。
本児は、様々な活動に積極的に参加し、楽しそうに過ごしています。今後も良い点をさらに伸ばすとともに、様々な場面で成功体験を積み重ねられるようにし、自己肯定感を高めていきます。
Juri F.