以前は「ドッジボールは見学する」と言っていたが、最近は「外野やりたい」と積極的に参加できるようになった

 明るく人懐っこい性格で、様々な活動に積極的に取り組み、楽しそうに過ごしています。自由遊びの時間は、大好きな車の本を指導員の所に持ってきて、おしゃべりすることが好きです。それぞれの車の特徴や好きな所等、豊富な知識を披露してくれます。また、早帰りの日は、同じ学校の友達の誘いに乗ってリレー遊びやボール遊びをする等、友達と一緒に身体を動かして遊んでいます。通所し始めた頃は一人で、または指導員と遊ぶことがほとんどでしたが、徐々に同じ学校の子と一緒に遊ぶようになり、最近は同じ学校でない子とも時々一緒に遊ぶようになっています。今後も指導員との二者関係の中に他の子を誘って三者関係として一緒に遊ぶ等、友達との関わりを始めるための橋渡しをしていきます。また、遊びを仲介することにより友達との遊びが続くようにし、交友関係をさらに広げることができるよう、また「もっと一緒に遊びたいな」という気持ちを引き出すことができるよう支援していきます。

 戸外活動では、友達と一緒に公園や室内アスレチック、科学館、美術館、お祭、プール等、様々な場所へ出掛けることを楽しみにしてくれています。戸外活動では、思いっきり身体を動かす経験、友達とどこで遊びたいか意見を伝え合い上手く折り合いをつける経験、それぞれの施設のマナーを身に付ける経験等、教室で過ごすよりも様々な経験をすることができ、本児にとってプラスが大きい活動と考えています。戸外活動では、ペア活動を実施しています。ペア活動では、それぞれのペアに1 人ずつ指導員がつき、仲良く遊ぶことができるようサポートしています。ペア活動では、思いやりをもって友達と接すること、自分の意見を言葉で伝えること、友達の意見を受け入れること、話し合いをもって互いに納得できるように決めること等、自己の主張を適切に表現する方法を学ぶと同時に他者の主張を尊重することを学ぶアサーショントレーニングを通してコミュニケーションスキルの発達を促しています。ここまで経験を積み重ねてきたことにより、本児は「ねぇ、どこから行く?」と友達の意見を自分から尋ねたり、「これ終わったら、あっちに行ってもいい?」と自分の行きたい所を伝えたりすることができるようになってきました。今後も、様々な経験を通して、指導員の見守りの下、友達と仲良く過ごすコツを身に付けてもらい、自由時間にもその力を発揮することができるよう支援していきます。

 コミュニケーションの面では、車のイベントのことをよく話してくれます。Show & Tellにも積極的に取り組んでくれており、皆の前で自分の好きな車のことを嬉しそうに話しています。まだ相手に伝わるように話すことが難しかったり、あり得ない話をしたり、自分のしたいことを実際にしたかのように話したりすることもあり、コミュニケーション面において多少幼さは感じられます。しかし、ピアジェによると、過去・未来が分かること、論理的に話すことは小学校高学年の発達段階とされているため、現時点の本児の状態は発達段階相当であり、成長過程の一つとして捉えています。今後も、発表活動や日々の会話において、現在の積極的な面を維持し、本児の伝えたい気持ちを大切にするとともに、経験を積み重ねる中で事実を正確に伝える力を伸ばしていきます。

 運動エフェクトでは、どの種目にも積極的に取り組み、楽しんでいます。ドリブルの記録会では、ドリブル100回を合格することができ、とても喜んでいました。現在挑戦中のV字ドリブルも少しずつ記録を伸ばしており、前向きに取り組んでくれています。集団遊びでは、ルール理解力があり、初めて行うこともすぐにルールに沿った動きをすることができています。本児は、高鬼や8の字鬼等、鬼ごっこ系の遊びが好きで、盛り上がっています。身体の動かし方には少しぎこちなさが見られますが、運動経験の不足が要因となっており、様々な運動経験の機会を提供することにより、少しずつできることが増えています。例えば、ボール投げは、初めは両手で投げていましたが、片手で投げられるようになり、さらに飛距離も伸びています。また、心理面においても、以前は「ドッジボールは見学する」と言っていましたが、最近は「外野やりたい」と積極的に参加できるようになりました。今後も、苦手だから避けるのではなく、苦手を感じさせないような接し方をすることに配慮した上で、楽しみながら運動経験を積み重ねる機会を確保し、「自分はできる」という感覚をもってもらえるようにし、様々なことに前向きにチャレンジする気持ちを維持することができるよう支援していきます。

 学習の面では、宿題と公文に取り組んでいます。切り替えが早く集中力もあり、毎回その日の課題を終えることができており、がんばっています。宿題では、分からない所を自分から聞いたり、「これで合ってる?」と不安な所を確認したりしながら、がんばっています。公文では、順調に教材を進め、たし算の筆算の練習をしています。計算ミスがほとんどなく、解き方をしっかりと理解することができています。今後も、丁寧に学習支援を行うことにより、できることをさらに増やし、自己肯定感を高めていきます。

 本児は、様々な活動に積極的に取り組み、楽しく過ごすことができています。今後も本児のよい面をさらに伸ばすとともに、ここまでと同様、様々な活動に積極的にチャレンジしてもらい、心身のさらなる成長を促していきます。

Juri F.