ルール提示により感情の変化の自覚を促し、情緒面のコントロール力を伸ばすー問題行動を減らすだけではなく好子出現強化で適応行動を一緒に進める支援ー
明るく活発な性格で、様々な活動に積極的に取り組み、楽しそうに過ごしています。対人関係面では、友達との関わり方が上手になってきて、友達とトラブルになることが少なくなっています。自由遊びの時間は、挟みドッジボールをすることが好きです。ボールをキャッチしたり投げたりすることに自信をもっており、いつも楽しんでいます。また、走り高跳びで大きくジャンプしたり、側転の練習をしたりする等、ダイナミックな動きをしていることが多く、「○○ができるようになりたい」「もっとかっこよくできるようになりたい」とがんばっています。今後も友達との関わり方について助言し、仲良く過ごすことができるよう支援していきます。
運動エフェクトでは、運動全般が得意で積極的に取り組んでくれています。記録会では、短縄の二重跳びが30回以上連続でできるようになり、喜んでいました。サッカーのパスゲームは、初めは、あまり得意ではありませんでしたが、繰り返し取り組むことによって相手に勝てることも出てきて、より楽しめるようになりました。集団遊びでは、ルールをしっかりと守ることができています。特にドッジボールが好きで、積極的にボールを取りに行き、活躍しています。今後も得意な部分をさらに伸ばし、自己肯定感を高めていきます。また、経験を通して、年下の友達に対し思いやりをもって接すること、思い通りにいかなかった場合に上手く気持ちを切り替えることができるよう支援していきます。
学習の面では、宿題や公文、英語に取り組むことが習慣化し、学習に対する抵抗感が少なくなってきています。宿題に対し、取り組むべきものとしての認識が出てきて、言い逃れようとすることがなくなり、さっと始められるようになりました。また、集中力もあり、短時間で終えることができています。学習内容に関しては理解できており、自力で進めることができています。今後も学習支援を継続し、学習習慣を身に付けられるよう支援していきます。
気になる点は、要求や不満が多く、イライラしていることが多い点です。本児は、いつも思い通りになるわけではないことを頭では分かっていますが、感情のコントロールができないことに困り感をもっています。最近は少し落ち着いた印象で、イライラを抑えようとしている面も見られます。少しのことでイライラしていると友達から悪い印象を抱かれ、さらにイライラするという悪循環を避けるため、イライラした場合はクールダウンを促すようにします。また、イライラした状態では好きな遊びが続けられないタイムアウトのルールを設ける等、イライラする気持ちのストッパーの役割を果たすルール設定を行います。また、問題行動を減らすだけでは解決にならないため、良い行動が執れた場合に褒める等、好子出現強化で適応行動の学習を一緒に進めていきます。このようなルール設定による声掛けは、自らの感情の変化を自覚するきっかけにもなり、感情コントロールの成功体験を積み重ねることに役立ちます。実際に、本児にクールダウンとタイムアウトのルールを伝えてからは、イライラしたとしても一生懸命抑えようとする姿が見られるようになり、多少イライラすることがあってもさらに増長させていくことはなくなり、穏やかに過ごせるようになってきました。今後も、多少のことでイライラしてしまうことの自覚を促すこと、適応的な物事の捉え方を伝えること、同じ状況下での同年代の一般的な考え方を伝えること、適切に振る舞うことができた時にほめることを通して、情緒面のさらなる成長を促していきます。
本児は様々な活動に積極的に取り組み、大きく成長しています。今後も良い面をさらに伸ばしていくとともに、感情のコントロール力を伸ばし穏やかに過ごすことができるよう支援していきます。
Juri F.